女の怨霊を表わす面である。興奮状態を極度に示すように、額に二本の角が生えている。きんしゅくとしての眉間をしかめた眉の筋肉は庇状になって目を覆うばかりであり、その下にはもうきょうまくがみられない程大きな繭形の金具の目をむき出しにして横たえている。野獣的に深く切り込んで開いた口には、金具の歯列だけではなく牙さえ見える。 さらに大きな耳もあり、異質な激しい表情である。
使用曲名 − 葵上後、黒塚後、道成寺後
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